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近代遺産②
●持ち主はとても恥ずかしい
 
 2019年の初夏、幸運にも再び郡山でトークショーを行う機会をいただき、初対面から1カ月半の7月、再び吉田薬局を訪ねることができました。初訪の時は外観を愛でるだけでしたが、2回目の訪問時は店内へ入り、お店の方とお話させていただきました。その話の途中で、とてもショッキングな一言を伺ったのを、今でも忘れません。
 
 娘さんが、この建物に対して「古臭くてとても恥ずかしい」といつもおっしゃっていると。「古い」という言葉がマイナスのイメージを持つニッポンの常識を考えれば当然のことなのかもしれません。それよりも、誰もこの建物の価値を、吉田薬局のご家族に伝えていないことがショックでした。
 
 郡山でのイベントは、近代建築にも関連するトークショーだったので、吉田薬局のことにも触れましたが、多少なりとも建築に興味をお持ちの参加者の方々ですら、吉田薬局の存在は知っているものの、その価値までご存知の方はほとんどいらっしゃらなかった印象です。
 
 そんな事情を反映するように、悲しい出来事が昨年ありました。会津若松の「あら池うなぎ店」の解体です。昭和初期に創業した老舗のうなぎ屋さんは、その外観が吉田薬局とまるで兄弟のような造りでした。設計などの詳細はわかりませんが、おそらく高梨幸平太氏の手によるものだったのではないでしょうか。少なくとも何らかの関連があると思うほど、似通った外観の建物でした。

●東京でも貴重な建物が続々と解体
 
 こういった状況は、東京でも似たようなものです。例えば築地には、看板建築をはじめとした戦前の建物が今でもそこかしこに遺っていますが、老朽化や持ち主の代替わりなどで、年々取り壊されているのが実情です。
 
 これを受けて、歴史的建築物の保存に取り組むアメリカの非営利団体「ワールドモニュメント財団」が、2015年に築地にある数十軒の貴重な建物を危機遺産に認定しました。これで、築地の貴重な建物は全て保存されるのかと思いきや、認定は拘束力のあるものではないため、その後も解体は続いています。
 
 また、2015年に世界遺産登録された長崎の軍艦島をご存知の方は多いことと思います。実はこの軍艦島もまた、似たような憂き目に遭いました。登録の12年前の2003年に、初めて世界遺産へ向けてのシンポジウムが長崎で開かれた際、参加した市議や県議の大方の意見は「あんなゴミの島が世界遺産になるわけがない」というものだったのを今でもよく覚えています。世界遺産にまで認定されるほど価値のあるものが、地元の人には全く理解されていなかった悪例です。
 
 このように、本来貴重な建築遺産、ひいては文化遺産が、その真価を理解されず、時には解体されてしまうことがしばしばあります。特に、近代以降のもので、しかも看板建築のような在野の遺産に関しては、その価値が学術的に確立されていないものも多く、その結果、建て替えや解体が優先されてしまうのでしょう。

●救世主・海老原商店

 そんな中、東京の神田須田町にある看板建築の「海老原商店」は、近年、見事なリノベーションを遂げて、創建時の姿を今に蘇らせました。
 海老原商店は、1887(明治20)年に古着屋として創業し、戦前は既製服の販売店、戦後は生地の卸小売店として営業してきたお店です。リノベーションされたのは1928(昭和3)年に震災復興で建てられた看板建築。タイルと銅板が巧みに配された店構えは、現存する看板建築と一線を画した魅力を放っています。震災後の看板建築の中には、画家やデザイナーが正面のデザインを手がけるケースもあり、この海老原商店もその一つでした。
 
 お店を閉業したのが2006年。それから約10年の間、仕舞屋の状態でしたが、2016年に「隣接する看板建築の解体をきっかけに、再生保存を決意した」と語るのは5代目の義也(よしや)さん。ご本人はもとより、4代目のご両親も、そして3代目のおばあさまも含め、家族ぐるみで保存を望んでいたことが、リノベーションの大きな原動力になったといいます。
 
 創建当時の部材や技法にこだわり、行政がらみの問題もクリアして生まれ変わった商店は、写真に遺る創建当時を彷彿とさせる姿。オーナーが自らその価値を理解し、そして保存の英断をした好例だと思います。
 
 海老原商店の保存のきっかけとなった隣接する看板建築の跡地は、2019年の現在、更地利用でお決まりの駐車場。「ただ保存するのではなく、ビルへの建替や駐車場と同じくらいの経済効果を伴った再生を実現していきたい」と義也さんは将来の展望を語っています。

 【写真:
ほぼ創建当時の姿でリノベーションされた神田須田町の「海老原商店」

  

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