【進歩(シンポ)中(チュウ)に退歩(タイホ)を忘れず。故(ゆえ)に躓(つまず)かず。】と、読みまして、人は進むときに退くことを忘れなければ躓かない、という意味です。
出典は『言志後錄』第59条です。
進歩中不忘退歩
進歩中に退歩を忘れず
人は進む時に退くことを忘れなければ
故不躓
故に躓かず
躓かない
臨之繇曰
臨(リン)の繇(チュウ)に曰く
(易経の語をかりて説明すると、)臨の卦の占いのことばによると
元享利貞
元(おおい)に享(とお)る貞(ただしき)に利(よろ)し
正しい道を踏み守って変わらなければ、万事はすらすらよく運ぶ
至于八月有凶
八月に至りて凶(キョウ)有り、とは
八月は陽の気がはなはだ盛んな月ではあるが
その中に自ずから陰の気が生ずる
(だから、進むに急で、退くことを忘れると失敗するから凶に陥りやすい)
是也。
是(こ)れなり。
こういうことです。






























