【未(いま)だ仁(ジン)にして其の親(おや)を遺(す)つる者(もの)有らず】と読みまして、昔から仁の德を身につけている者で、その親を捨てて顧みないという不幸者はあったためしがない、という意味です。
出典は『孟子』梁恵王章句上です。
孟子が初めて梁の恵王にお目にかかった時、
国中の上の者も下の者も、だれもが利益を貪ることしか考えなければ、
国家は必ず滅亡してしまいましょう。
と諫めました。
未有仁而遺其親者也、
未だ仁にして其の親を遺つる者有らず。
昔から仁に志すもので親をすてさった者は一人もいないし、
未有義而後其君者也。
未だ義にして其の君を後にする者有らず。
義をわきまえたもので主君をないがしろにしたものは一人もございません。
王亦曰仁義而已矣、
王、亦た曰く、仁義のみ。
ですから王様、どうかこれからは、ただ仁義だけをおっしゃってください
何必曰利。
何ぞ必ずしも利と曰わん。
どうして利益、利益とばかり口になさるのですか。






























