【物(もの)には栄枯(エイコ)有り。人(ひと)には死生(シセイ)有り。】と読みまして、物には栄枯盛衰があり、人間には生死がある、という意味です。
出典は『言志後禄』27条です。
物有栄枯、人有死生、則生生之易也。
物には栄枯有り、人には死生有り、則ち生々の易なり。
物には栄えるあり枯れるあり、人には生まれるあり死するあり、
すべては変化につぐ変化で、やむことがない。
須知躯殻是地、性命是天。
須らく知るべし、躯殻(クカク)は是れ地にして、性命は是れ天なることを。
われわれの肉体は地に属し、性命は天に属することを知らなければならない。
天地未曾有死生、則人物何曾有死生。
天地未だ曾て死生有らずば、則ち人物何ぞ曾て死生有らんや。
この天地には死生がないのだから、人にも物にも死生がある筈はない。
死生栄枯、只是一気之消息盈虚。
死生栄枯は、只だ是れ一気の消息盈虚なり。
死生といい、栄枯といい、
ただ一つの気が消えたのが死であり枯であり、
ただ一つの気が満ちたのが生であり栄である。






























