【其の光を和(やわ)らげ、其の塵(ちり)に同(ドウ)ず。】と読みまして、自分の才能や徳を隠して、世間に目立たないように暮らすことを表しています。老子の生き方のようです。【和光同塵】の四字熟語で知られています。
出典は『老子』第四章、と第五十六章です。下記は第四章です。
道沖、而用之或不盈。
道は沖(むな)しきも、これを用(もち)うれば或(ま)た盈(み)たず。
「道」は空っぽで何の役にも立たないように見えるが、
その働きは無尽であって、そのからっぽが何かで満たされることは決してない。
淵兮似萬物之宗。
淵(エン)として万物の宗(ソウ)に似たり。
それは底知らずの淵のように深々としていて、どうやら万物の根源であるらしい。
挫其鋭、解其紛、
その鋭(エイ)を挫(くじ)いて、その紛(フン)を解(と)き、
それは、すべての鋭さをくじいて鈍(にぶ)くし、すべてのもつれを解きほぐし、
和其光、同其塵。
その光を和げ、その塵に同ず。
すべての輝きをおさえやわらげ、すべての塵と一つになる。
湛兮似或存。
湛(タン)として存(ソン)する或(あ)るに似たり。
それは、たたえた水のように奥深くて、どうやら何かかが存在しているらしい。
吾不知誰之子、
われ誰の子なるかを知らず、
わたしは、それがなにものの子であるかを知らないが、
象帝之先。
帝(テイ)の先(セン)に象(に)たり。
万物を生み出した天帝のさらに祖先であるようだ。