【誠(まこと)は、天(テン)の道(みち)なり。誠を思(おも)うは、人の道なり。】と読みまして、
誠こそ(人の天性からでるものゆえ)天の道であり、万事の根本である。この誠を十分に発揮しようと思い努力するのが、つまり人間の道なのである、という意味です。
出典は『孟子』離婁上です。
信於友有道。
友に信ぜらるるに道有り。
友達に信用されるにはよい方法がある。
事親弗悅、弗信於友矣。
親に事えて悅ばれずんば、友に信ぜられず。
まず自分の両親に仕えて心から悦んでもらえないようでは、友達に信用はされない。
悅親有道。
親に悦ばれるには道が有る。
両親に心から悦んでもらうにはよい方法がある。
反身不誠、不悅於親矣。
わが身を反省して誠が無いようでは、親に悦ばれない。
わが身に反省してみて、誠意がこもっていないようでは、親には悦んでもらえない。
誠身有道。
身を誠にするに道有り。
我が身をいつわりなく誠にするには、やはり方法がある。
不明乎善、不誠其身矣。
善に明らかならずんば、其の身に誠ならず。
それは是非善悪を明らかにわきまえなければ、とうてい我が身を誠にすることは出来ない。
是故誠者、天之道也。
是の故に誠は、天の道なり。
かように誠こそは(人の天性からでるものゆえ)天の道であり、万事の根本である。
思誠者、人之道也。
誠を思うは、人の道なり。
この誠を十分に発揮しようと思い努力するのが、つまり人間の道なのである。