【其の意(イ)を誠にすとは、自(みずか)ら欺(あざむ)くこと毋(な)きなり。】と読みまして、心の意志を誠(まこと)にするというのは、自らの心をいつわらない、ということです。
出典は『大學』伝の第六章です。
所謂誠其意者、
所謂(いわゆる)其の意を誠にすとは、
いわゆる、心の意志を誠にする、というのは、
毋自欺也。
自ら欺く毋きなり。
自分で自分の本心を欺いてはいけない、ということである。
如惡惡臭、
惡臭(アクシュウ)を惡(にく)むが如くし、
惡臭を憎むかのようにし、
如好好色。
好色(コウショク)を好むが如くす。
美しい色を好むがごとくに、
此之謂自謙。
此(これ)を之(これ)自ら謙(こころよ)くすと謂う。
このことを、自分自身が心地よく満足すると言うのである。
故君子必愼其獨也。
故(ゆえ)に君子は必ず其の獨(ひとり)を愼(つつし)むなり。
それゆえに、君子(=教養人)は必ず自分ひとりでひたむきに謹(つつし)んでいるのだ。