【窮(キュウ)するも亦(ま)た樂(たの)しみ、通(ツウ)ずるも亦た樂しむ】と読みまして、逆境に落ち込んだ場合も楽しんでおり、順調に成功した場合も楽しんでいた、という意味です。
出典は『荘子』讓王篇です。
古之得道者、
古(いにし)えの道を得たる者は、
真実の道を体得した古人は、
窮亦樂、通亦樂。
窮するも亦た樂しみ、通ずるも亦た樂しむ。
逆境に落ち込んだ場合も楽しんでおり、順調に成功した場合も楽しんでいた。
所樂非窮通也。
樂しむ所は窮通(キュウツウ)に非(あら)ざるなり。
楽しみとするところは、逆境とか順境とかいう世俗の関心をこえていたのである。
道德於此、
道、此(ここ)に德(え)らるれば、
真実の道が体得できたなら、
則窮通爲寒暑風雨之序矣。
則ち窮通も寒暑風雨の序と爲(な)る。
逆境か順境かということは、寒暑風雨が移り変わる程度のことになってしまうのだ。