【心上(シンジョウ)に刃(やいば)有(あ)るは忍(ニン)なり。】と読みまして、心の上に刃があるのが忍の字だ、という意味です。
出典は『言志録』 218条です。
心上有刃忍。
心上に刃有るは忍なり。
心の上に刃があるのが忍の字だ
忍字非好字面。
忍の字は好字面(コウジメン)に非(あら)ず。
この字は残忍を連想するような、善い字ではない。
但借做喫緊寧耐可也。
但だ借りて喫緊寧耐(キッキンネイタイ)と做(な)すは可なり。
ただ、この字を借りて気を引きしめたり、危険を免れる気を起こす手段にするのはよいことだ。
要亦非道之至者。
要するに亦た道の至れる者に非ず。
要するに、忍の程度では、儒教の理想とする「道」の理想の状態ではないということである。