【伏(ふ)すこと久(ひさ)しき者は、飛(と)ぶこと必(かなら)ず高(たか)し】と読みまして、鳥の中で、長く地上に伏して力を養ったものは、一たび飛び立つと、必ず他の鳥よりも高く飛び上がることができる、という意味です。
人生には必ず「いい時」が来るから心配しないで悠々と生きよう、と言っているようです。
出典は『菜根譚』後集76条です。
伏久者、飛必高、
伏すこと久しき者は、飛ぶこと必ず高く、
鳥の中で、長く地上に伏して力を養ったものは、
一たび飛び立つと、必ず他の鳥よりも高く飛び上がることができ、
開先者、謝独早。
開(ひら)くこと先(さき)なる者は、謝(シャ)すること独(ひと)り早(はや)し。
花の中でも、早く開いてしまうものは、必ずその花だけが他の花より早く散ってしまう。
知此、可以免??之憂、
此(こ)れを知(し)らば、以(もっ)て蹭蹬(ソウトウ)の憂(うれ)いを免(まぬが)るべく、
この道理を弁えていれば、人生の途中で疲れて勢いを失ってしまう心配から
まぬがれることもできるし、
可以消躁急之念。
以(もっ)て躁急(ソウキュウ)の念(おも)いを消(け)すべし。
また成功をあせる心も消すことができる。