【天(テン)の命(メイ)ずるをこれ性(セイ)と謂(い)う】と読みまして、天が命令するものを本性(あるがままの性質)である、という意味です。
出典は『中庸』第1章です。
天命之謂性。
天命(テンメイ)之(こ)れを性(セイ)と謂(い)ひ、
天が命令する(ように人や物に分け与えた)ものを本性(あるがままの性質)といい
率性之謂道。
性に率(したが)ふ之れを道(みち)と謂ひ、
性に従う(ことによっておのずと立ち現れてくる、そこを踏みゆくべき)ものを道(道理)といい
脩道之謂敎。
道を修(おさ)むる之れを教(おし)へと謂ふ。
(そこを踏んでいけるように聖人が状況に応じて)道を整備した(手引きとなる)ものを
教えという。
道也者。不可須臾離也。可離非道也。是故君子戒愼乎其所不睹。恐懼乎其所不聞。
道なる者は、須臾(シュユ)も離る可ならず、離る可きは道に非ざるなり。
是の故に君子は其の睹みざる所を戒愼(カイシン)し、其の聞かざる所を恐懼(キョウク)す。