【仁とは、其の中心(チュウシン)欣然(キンゼン)として人を愛するを謂うなり】と読みまして、仁とは真心から喜んで人を愛することです、という意味です。
出典は『韓非子』解老篇です。
仁者,謂其中心欣然愛人也。
仁とは,其の中心欣然として人を愛するを謂うなり。
仁とは真心から喜んで人を愛することを謂うのである。
其喜人之有福,
其の人の福有るを喜びて、
人に幸いがあるのを喜び
而惡人之有禍也、
人の禍い有るを惡(にく)むや、
人に災いがあるのを憎むことは、
生心之所不能已也。
生心の已む能わざる所なり。
生まれつきの心であって止められないことである。
非求其報也。
其の報を求むるに非ざるなり。
その報酬を求めてすることではない。
故曰、上仁為之而無以為也。
故に曰く、上仁はこれを為して、以て為す無きなり。
であるから、最上の仁は、行うが、目当てがあってするのではない。