【己(おのれ)を枉(ま)ぐる者は、未だ能(よ)く人を直(なお)くする者はあらざるなり】と読みまして、自分を枉げるような正しくない者が、他人を正しくすることなど、未だかってできたことはない、という意味です。
出典は『孟子』滕文公下です。
如枉道而從彼,何也
道を枉(ま)げて彼に從ふが如(ごと)きは何(なん)ぞや。
道を枉げて諸侯に屈従するなどとは、いったい何ごとなんだ。
且子過矣,
且(か)つ子(シ)過(あやま)てり。
お前は大変間違っている
枉己者,
己を枉(ま)ぐる者にして、
自分を枉げるような正しくない者が
未有能直人者也。
未(いま)だ能(よ)く人を直(なほ)くする者あらざるなり。
他人を正しくすることなど、未だかってできたことはない。