【安(やす)くして危(あや)うきを忘(わす)れず】と読みまして、安泰な時であっても危難の到来を忘れないようにという意味です。
出典は『易經』繋辞傳下です。
孔子が、君子の心得として常に危機感を以て油断せずに国を治めるように、と説いている場面です。
核心の部分を記載します。
是故君子、
是の故に君子は、
このようであるから、君子たる者は、
安而不忘危
安くして危うきを忘れず
安泰な時であっても危難の到来を忘れないように
存而不忘亡
存して亡ぶるを忘れず
存続している状態であっても、滅亡することのないように思いを馳せ、
治而不忘乱
治まりて乱るるを忘れず
治まっている状態であっても、乱れることがないように心配し続けるのである。