【富(とみ)を欲(ほっ)するの心(心)は即(すなは)ち貧(ヒン)なり。】と読みまして、富を欲しがる心は即ち貧である、という意味です。
出典は『言志耋録』143条です。
物有餘謂之富。
物に余り有る、之れを富と謂う。
物に余分が生じたらそれを富という。
欲富之心、即貧也。
富を欲するの心は即ち貧なり。
この富を欲しがる心は即ち貧である。
物不足謂之貧
物の足らざる、之れを貧と謂う。
物の足りないのを貧という。
安貧之心、即富也
貧に安んずるの心は即ち富なり。
しかし、物不足の貧に安んじている心は富である。
富貴在心、不在物
富貴は心に在りて、物に在らず。
富と貴は心にあって物にあるのではない。