【欲(ヨク)に大小有り】と読みまして、人の欲望には、大きい欲望と小さい欲望があります、と言う意味です。
出典は『言志晩録』第180条です。
欲有大小。
欲に大小有り。
欲には大きい欲と小さい欲がある。
大欲之發、我自知。
大欲の発するは、我れ自ら知る。
大きい欲の起きた場合は、自分でそれが分るから
克己或易。
己れに克つこと或は易し。
その欲に勝つことは或(あるい)は容易である。
小欲則不自覺其欲。
小欲は、則ち自ら其の欲たるを覚えず。
だが、小さい欲は自分自身がそれに気づかないので
克己卻難。
己れに克つこと卻って難し。
これに打ち克つのが却(かえ)って難しい。