【死生(シセイ)の短長(タンチョウ)は時(とき)なり】と、読みまして、人の生命の短いか長いかは、時の運のめぐりあわせによるものである、という意味です。人力ではいかんともなしがたいことです。
出典は『春秋左氏傳』文公十三年です。
邾子曰、
邾子(チュシ)曰く、
邾子(文公)曰くが言いました、
命在養民。
命は民を養ふに在り。
自分の天与の使命は民を養うことである。
死生之短長時也。
死生の短長は時なり。
自分の寿命の短い長いは時の運に従うもので、いかんともしがたい。
民苟利矣遷也、
民苟(いやし)くも利あらば遷(うつ)らん、
民にとって利というなら遷都しよう。
吉莫如之。
吉 之に如(し)くは莫(な)し。
それ以上の吉はない。
遂遷于繹。
遂(つい)に繹(エキ)に遷(うつ)る。
ついに繹に遷た。