【人生意を得ば須(すべか)らく歡(カン)を盡くすべし】と読みまして、人間は心にかなったことがあったならば、歓楽を尽くすべきである、という意味です。
出典は李白の詩『將進酒:將(まさ)に酒を進めんとす』です。
全部で26句の詩です。1句~6句を記載しました。
君不見黃河之水天上來
君見ずや黄河の水 天上より来たるを
君も知っていよう、黄河が天から流れ落ちて来るのを。
奔流到海不復回
奔流(ホンリュウ)海に到りて復(ま)た回(かえ)らず
奔流は海に注いで再び帰ることがない。
君不見高堂明鏡悲白髮
君見ずや 高堂の明鏡 白髪を悲しむを
君も知っていよう、豪邸の鏡が白髪を映して悲しむのを。
朝如青糸暮成雪
朝(あした)には青糸(セイシ)の如きも 暮(く)れには雪となる
朝にはみどりの黒髪が、夕暮れには雪の白さに変わっている。
人生得意須盡歡
人生意を得ば 須(すべか)らく歓(よろこ)びをを尽くすべし
人生は瞬く間に過ぎていくのだから、我が意を得た時は大いに楽しもうではないか。
莫使金尊空對月
金尊をして空(むな)しく月に対せしむる莫(な)かれ
金の酒つぼを月下に放置すべきではない。