WiZ専門学校国際情報工科大学校（郡山市）の再生可能エネルギー・スマートグリッド分野技術者育成事業推進協議会は12月11日、再生可能エネルギーの有効活用と二酸化炭素（CO₂）排出量の削減に取り組む、三重大学（三重県津市）のスマートキャンパス（MIESC）実証事業を視察した。
　三重大は昨年10月、総事業費19億円を投じ、経済産業省「次世代エネルギー技術実証事業」の補助金（約８億５千万円）を活用したスマートキャンパス実証事業（2011年10月17日～14年3月10日）に着手。
　事業計画に①再生可能エネルギー活用と需要を制御するキャンパスコミュニティマネジメント②学生・教職員による環境活動③大学内コミュニティー別のCO₂削減施策モデルの作成―を掲げ、新エネルギーを生かした需給システムの確立を目指している。10年度比でCO₂の24％削減が目標だが、達成時期は実証期限内をめどとしている。

　すべての事業完成は1年3カ月後の14年度内を見込み、気象、需要等のデータを制御管理するエネルギーマネジメントの統合制御室をはじめ、照明LED設備、ガスコージェネレーション（2000㌔㍗）、空調設備、太陽光発電（180㌔㍗計画）、スマートメーター、蓄電池（432㌔㍗）、風力発電（300㌔㍗）などを備える。
　現在、施設の建設が急ピッチで行われており、一部施設が稼働。来年度以降、本格的運用と検証が開始される。
　エネルギーマネジメントにおいては、気象予測データを基に翌日の再生可能エネルギーの発生電力量を予測、エネルギー需要と供給設備の効率的運用を図る。LEDはキャンパス内のコンビニ、太陽光発電は駐車場の屋根（1基38台収容）に設けられた。駐車場の太陽光発電は最終的に計3基設置する。

　実証期間後は、エネルギーサービス事業（ESCO）により15年間の稼働を経て、設備投資分を回収する。
　三重大では現在、中部電力から年間4億円の電力を買電しているが、将来的は2億円に圧縮される見込み。
　三重大大学院地域イノベーション学研究科教授の坂内正明さんが実証事業を説明し、工事現場を案内した。
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　再生可能エネルギー・スマートグリッド分野技術者育成事業推進協議会の視察研修は、11月の京都府精華町の関西文化学術研究都市「けいはんな学研都市」、愛知県豊田市の「とよたエコフルタウン」に続いて2回目。

　□国立大学法人・三重大学　 http://www.mie-u.ac.jp/