再生可能エネルギー関連の150の自治体、団体、企業が参加し、最新機器類を展示紹介する「ふくしま復興・再生可能エネルギー産業フェア2012」は11月7日、郡山市のビッグパレットふくしまで開幕した。8日まで。
　原子力に依存しない持続発展可能な社会づくりに向け、多様な資源を生かし新たな産業を生み出すことを狙いにしたフェア。「脱原発」を決めた福島県と、公益財団法人福島県産業振興センターの主催。
　初日はオープンセレモニーに続き、再生可能エネルギー技術セミナー、企業経営者・技術者向け講演会、分野別専門セミナーがあった。
　電気自動車の研究、開発に30年携わっている、慶応大教授でSIM-Drive社長の清水浩さんは「再生可能エネルギーと電気自動車で創る明るい未来」と題して講演。業から始まった文明や産業革命など技術革新の歴史を踏まえ、「技術は必ずある一定の方向に流れる。一つの社会、時代は一つの技術で生きる掟があり、例えばテレビで液晶が残り、プラズマは無くなった」とし、その上で研究結果からも「新たな産業革命をもたらすのは太陽電池が最有力」と持論を述べた。
　また、携帯電話とデジタルカメラの普及度合いを挙げ、それぞれ1995年、2000年以降、約７年目で７倍以上の加入、生産台数に達した点を強調。「電気自動車がごく近い将来、ガソリン車にとって代わる可能性が十分にある」とした。
　再生可能エネルギー技術セミナーでは、福島大、日本大工学部、いわき明星大、会津大が新たに取り組む「次世代太陽光電池の研究開発計画」や「災害に強いエネルギー 自立・自然共生システム基盤技術の研究計画」、「持続循環社会を実現するスマートグリッド情報基盤の研究計画」などを発表。分野別専門セミナーは「風力発電事業による産業振興及び雇用創出の可能性」「太陽光電池が切り拓くスマートな暮らし」「バイオマスと再生可能エネルギーの利用による地域活力創造」について、それぞれ取り組みを紹介した。展示会場では参加団体、企業が自社開発製品などのプレゼンテーションがあった。
　会場には、電気自動車やコンパクトな風力発電、本県沖合に設置予定の浮体式洋上風力発電の模型、充電のいらない電気自動車が可能な燃料電池車の模型、太陽光パネル、スマートハウスのモデル、蓄熱、熱電供給システムなどの最新機器類が展示されている。
　2日目は分野別専門セミナー、トップセミナー・中央省庁セミナー、プレゼンテーション、取引商談会、同時開催セミナーがある。
　入場、セミナー参加とも無料。午前10時～午後５時まで。

　【イベント】
　◇8日＝トップセミナー・中央省庁セミナー「21世紀世界の再生可能エネルギー・真の価値」（午後1時～4時）▽分野別専門セミナー「再生可能エネルギーと国内クレジット制度及びカーボンオフセットについて」「電気自動車が切り拓くスマートシティの未来」「産総研福島拠点における再生可能エネルギー研究開発」（午前10時30分～午後零時15分）▽同時開催セミナー「再生可能エネルギーは中小企業のビジネスチャンスの宝庫だ」（午後3時～4時30分）▽取引商談会（午後1時～4時）
　問い合わせは、福島県産業振興センター技術支援部（電話024-959-1961）へ。　E-mail reif2012@f-open.or.jp 　http://reif-fukushima.jp/

【写真：（左上から右下へ）150社・団体が出展した再生可能エネ産業フェア、普及が待たれる電気自動車、コンパクトな風力発電、太陽電池と電気自動車の将来性を語る清水さん、充電のいらない電気自動車が可能な燃料電池車の模型】