国内外の短編映画の秀作を上映する地方映画祭「第２４回すかがわ国際短編映画祭」は９月１日、須賀川市民文化センターで開幕する。前回は東日本大震災の影響で、５月開催を１１月に延ばし、規模を縮小しての開催となった。今回も“不定期”開催となるが、上映本数は前回の１４から２６作品に増え、スペシャルゲストに第６２回ベルリン国際映画祭受賞作「６６３１１４」を監督した平林勇さんを招くなど、充実した内容を図った。実行委員長を務める深谷育子さんに、国際短編映画祭の見どころや、これから開催運営などを聞いた。
 
　ー前回は震災、原発事故の影響からいったん中止が決まるなど、開催が危ぶまれましたが。

　「例年通り５月開催に向けて準備を進めておりましたが、震災で多くの建物が被害に遭い、尊い命も奪われるなどし、いったん中止を決めました。そんな中で、国内外の皆さまからたくさんの激励やメッセージをいただき、何とか半年遅れで開催にこぎつけました。そこには関係者の熱意もあり、今回以降の開催へとつながりました。震災前の規模にはまだ届きませんが、それでも今年はドキュメンタリー、ドラマ、アニメーションの国内１５作品、国外１１作品の全２６作品を上映します。多くに方に足を運んでいただけたらと思います」

　ー今回の映画祭の特色は何でしょうか。

　「スペシャルゲストでトークをお願いしている平林監督の、震災をモチーフにしたアニメ映画『６６３１１４』が挙げられます。また、隣村の天栄村が、コメの放射能汚染ゼロに挑戦する姿を描いた『米の放射能汚染ゼロへの挑戦～２０１１年福島県天栄村の記録』や、震災と津波被害を受けた岩手県大槌町の幼稚園を追った『いつもの幼稚園に戻る事―２０１１』、『３．１１その時、保育園は～いのちをまもる　いのちをつなぐ～』などの上映も予定しています」

　ー次回開催は来年５月１１、１２日に決まりましたが、どのような映画祭を予定していますか。

　「この先、震災、原発事故を忘れず、風化させないようにすることだと思います。これからも社会性のある作品を取り上げ、問題提起していきたい。次回は２５回目の節目であり、目玉となるような企画を練っていきたいと考えます。特に秀作映画を小、中学生たちにも観てもらい、学校教育の一環として取り入れていただければと思います」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
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　すかがわ国際短編映画祭は１、２の両日開催。１日午後１時１０分からの上映後は、平林さんのトークを予定している。

　
　


【写真：深谷実行委員長㊧と（右上から）「６６３１１４」（2011年、DVD、7min30sec、監督・平林勇）「米の放射能汚染ゼロへの挑戦～２０１１年福島県天栄村の記録」（2011年、DVD、60min、企画・制作：岩波映像株式会社）「３．１１その時、保育園は～いのちをまもる　いのちをつなぐ～」（2011年、DVD、60min、企画・制作：岩波映像株式会社）】

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