「明治維新の新説」

▼明治維新の定説を覆すスタンフォード大学・フーバー研究所教授の西鋭夫（としお）氏。新たな説の研究に専念する西氏の講演録「新説・明治維新」を参考に、偽りの多い明治維新を探り、再考して講演の中身を振り返りたい。

▼講演録本終盤に差し掛かると、副題の「美の国を壊した明治維新」に辿り着く。　　　日本が遣隋使や遣唐使を送り始めた当時、東洋には一大文明国が存在していた。早速、「眠れる獅子」と呼ばれた豊かな強国である清国の話に移りたい。英国は豊かで金持ちの豊かな清国に狙いをつけ、悪事を画策する。それは大量の薬品アヘンを清国に輸出して注ぎ込み、戦争を仕掛けて豊かな国を手に入れる。

▼英国は清国の稀に見る豊かさをすでに知っており、阿片戦争を2度まで仕掛けて清国を滅すことに成功。その際、清国は多額の賠償金を支払う羽目に陥入り、賠償金額は現在の日本円に換算して34兆円。フランスには７兆円を支払う羽目になる。こうして清国はあえなく滅ぶ。奈落へと転げ落ちて行く清国の様は、昨今の映画「ラストエンペラー」や幾多の書物などで描かれることになる。

▼西氏は「アフリカ及びアジア全土と南米大陸は欧米の白人社会に食い千切られた」と指摘し、全世界のおよそ4分の１が植民地にされた事実を繰り返し指摘。世界各地へと利益を求めて世界各地に戦いを仕掛けた欧米白人社会の卑劣な残忍性も再度明白にして「真実の歴史の歴史に学ぶことの重要性」を警鐘。
加えて、次なる餌食は新たな市場として狙われた無防備な「ジパング（日本）だった」とも言及。この後は余談になるが、このような史実の流れを参考に別の角度から見れば、

現在のロシアのウクライナ侵攻やイスラエルに攻撃するハラスの問題も、別の視点からは真実の隠れた深層が見えてくる気がする。筆者はこう推眼する。