新型コロナの一連の騒動の中で、淡々と活動を続けている人がいる。
 
　郡山市に住む佐藤久男さん（74歳）。60歳以上の人を対象にしたパソコン教室を始めて8年。これまでに、約90名が久夫さんの指南を受けた。
 
　定年退職後の60歳以上を対象にしたパソコン教室を始めたのは2012年。
東日本大震災で世の中が大きく動いている時だった。
佐藤さんはそれまでにも福島の祭りや観光名所を紹介する動画を独学で収録し、「あったかふくしま観光交流大使」として活躍。動画の収録、編集を自分でこなしてきた。
「これからは、情報をインターネットで得る時代」と感じていた佐藤さんだが、在職中の年配者がメールチェックなどでしかパソコンを触っていないことに気が付いた。
「テレビ以外から情報を得られるようにしておかなければ、情報弱者になってしまう」と考えた佐藤さんは、「年配者は初歩的なことから学ぶことに抵抗があるのではないか」とも思い、まずは教室で学ぶ生徒同士が抵抗なく携われる、FB(フェイスブック)の取り組みなどを紹介している。
 
会員たちは、
「写真のアップの仕方も学んだので、外出した時には気軽に載せている。仲間の写真も参考に、次に出かける場の参考にもしている」
「世界が広がって行く感じがする」
「外出できなくても仲間の情報がわかってうれしい」と。
 
コロナの影響下では、チャットでの勉強会も行いチャットのやり方もマスター。7月から再開した教室では、動画の編集もスタート。
 
「これからの時代は、いろいろな方法で情報を得られるようにしておかなければ。そのお手伝いをしています」と佐藤さんは話す。
 
　コロナで外出が容易でない際にも、ネットで安否確認などを欠かさずに行い、会員にとっては一石二鳥以上の活動となっている。