サイト内を検索 WWWを検索
HOME > コラム・筆は一本也 > 「下駄と泥はね」
コラム・筆は一本也

「下駄と泥はね」

天気のよい日には頭から砂被りを受け、雨の日になると今度は泥はねがちょくちょくあった。道端を歩いていてもバスやトラックとすれ違えば、身につけたものが汚されてそれはもう大変だった。昭和半ばの光景である。昭和の東京オリンピックを前後に高度経済成長に乗って急速に進んだ舗装道路網だったが、それでも市中にはあちこちに砂利道や泥道があった。あれから半世紀以上が経ち、今は公道はもとより私道や庭先まで舗装されるようになった。
 
▼舗装の波はなにも市街地だけでなく、田園風景の広がる村々まで広がり、無味乾燥なアスファルト群で覆い尽くされた。こうした全国一律の都市化の波には寂しさを覚える。リタイヤして第2の人生を迎えると、とかく昔の生活がひと際懐かしくなる。そんな中で最近やたらと気になるのが「泥」。子どもの時分には泥遊びに興じ、よく泥だんごを作ったものだ。その泥だが、かつては長靴を着用しないとそれこそ泥まみれになってしまう。泥まみれになるととにかく泥臭くて教室やわが家には足を洗わずには入れなかった。
 
▼文字通り泥臭いことで、垢抜けしないことを泥臭いとよく言われる。泥仕合、果ては泥縄、泥棒、泥亀、泥絵、泥船など結構使われている。砂利道と言えば、たまにやってくる車が小石などを跳ね、窓ガラスを割ることも珍しくはなかった。高校生のころ、粋がって慣れない高下駄で通学したことがあった。それがデコボコ道でバランスを失い、何度か転んだ思い出がある。デコボコ道と高下駄の組み合わせでは、どう考えても相性は悪い。相性と言えば、田園風景にアスファルト。これもいただけない。
 
▼泥道は今や田畑ぐらいでしか見ることもできなくなった。農村部の生活道も見違えるほど簡易舗装され、それでも民家の庭には泥水がたまる程度。かつて農林省(現農水省)の補助事業であった農村総合整備モデル事業をよく取材した。今考えれば、田んぼのあぜ道まで舗装してしまうようなバラマキ事業だった。農村の生活がよくなるのはよいが、一方で豊かな農村風景も失われてしまった。さて、下駄の話だが、7月22日は「全国下駄の日」らしい。早い話だが、七夕祭りや盆踊りにはぜひ下駄履きで出かけてみたい。【天下泰平】
                              (2016・4・13)

おすすめ情報(PR)

既製服にはない美しいフィット感
誂えのセレクトショップ・佐藤洋服店(本宮市)は、既製服にはないフィット感の美しいシルエットのスーツなどを提供している。ジャケット、オーダースーツ、靴なども取り扱っている。
海産物専門店「おのざき」の通販
全国一律1,000円の送料。届け先1件あたり。クール代・税込み。お買い上げ代金10,000円以上で送料無料。フリーダイヤル0120-024-137。携帯電話からは0246-23-4174
日持ちする「プリザーブドローズ」
にこにこバラ園(須賀川市)は、1年以上持つというプリザーブドローズを発売。バラ園がデザインしたプリザのバラアレンジメント。バラの季節を迎え、特価でのバケツ売りの特売日もあり。ホームページ2,000円〜10,000円台(消費税別)。送料は別途。Tel・Fax0248-72-7834
かに徳の宴会と法要プラン
かに刺し満足コース・かにすき鍋満足コース・かにちり鍋満足コースを用意。2時間飲み放題。無料送迎バス付き(10名様以上)。予約は☎024-931-2188
亀屋食品こだわり豆腐ギフトセット
木綿青ばた豆腐、青ばた寄せ豆腐、ごま豆腐、手あげなどの1500円セット(7品6種)と2000円セット(10品7種)。箱代・氷代込み。送料は別途。電話0248-82-2760・ファックス0248-82-2761

本宮特産・本宮烏骨鶏の酵母卵
ビール酵母で元気に育った烏骨鶏の酵母卵とトローリ酵母卵。熱処理した高品質の飼料をエサに安心・安全に飼育しました。卵黄のみを使って独自開発した酵母卵の卵油もどうぞ。

潮目食堂エブリア店オープン
海産物専門のおのざき(いわき市平鎌田町)は、いわき市鹿島の鹿島ショッピングセンターエブリア内に潮目食堂をオープン。2店目。ボリュームのある海鮮が自慢で、海鮮丼、刺身盛り、焼き魚定食など豊富なメニューを用意。
縫製工場・店舗が営業再開
台風19号による水害で縫製工場・店舗が被災した(株)アルバTOWA(旧東和ユニフォーム・本宮市本宮字舘町2-1)、SATO TAILOR 佐藤洋服店(同)は、ともに営業を再開

おすすめサイト