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福島からの発信

復興と東京五輪、スポーツを考える 福島・伊達でシンポジウム

NPO法人・バレーボールモントリオール会(モン・スポ Mon Sport)主催のシンポジウム「復興と東京オリンピックとスポーツ」が3月16日、福島県伊達市の保原高で開かれ、県内外の指導者がスポーツ活動の現状と子どもたちの体力低下のケアなどを話し合った。
 被災
地のスポーツ振興と復興を目的に開催。シンポジウムには、モン・スポ代表理事でモントリオール五輪女子バレーボール金メダリストの田村(旧姓前田)悦智子さん、NPO法人フォルダ理事長の司東道雄さん(岩手県北上市)、桑折町総合型スポーツクラブ「マルベリーこおり」の内村勝男さん、NPO法人総合型スポーツクラブ・ひのきスポーツクラブ(南会津町)の湯田賢治さんの4人のパネラーが登壇、コーディネーターはテレビ朝日エグゼクティブアナウンサーの宮嶋泰子さんが務めた。
 
 湯田さんは、子どもたちの活動の場とそれを支える場が減っている点を指摘。放射能の影響で野外運動ができない県内の浜通りと中通りの子どもを、会津地方に引き寄せて活動させていることを報告した。「夏冬にプログラムを組み、目一杯に自然と親しんでもらっている」と話した。
 内村さんは「1980年代からの子どもの体力低下に加え、運動し過ぎる子と全く運動しない子の二極化が進んでいる。スポーツ少年団の減少と統廃合も悩み」と問題提起した。
 田村さんは「スポーツは褒められることで好きになる。親が子どもに頑張っている姿勢をみせ、さらに親子で親しむことが大切。最後は人間関係であり、こうした点も考える必要がある」と述べた。
 司東さんは、会員数2000人というNPO法人のリーダー。「岩手県の学校では部活動が必須となっている。6年後となった東京オリンピックに向けては、(選手らの指導育成を)どうやっていけばいいのか課題である」と話した。
 コーディネーターの宮嶋さんからは、岩手県内の運動場がほとんど仮設住宅になっている点や、これからのスポーツ振興で重要な総合型地域スポーツクラブが福島発であることなどが報告された。
 参加者からは、2020年東京オリンピック開催のための競技力向上に加え、オリンピックの財源に伴う復興への影響も懸念されるなどの意見が出た。
 
 この日はシンポジウムに先立ち、ママさんバレーボールの指導者らが実技指導を受けた。

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