郡山市の専門学校、wiz国際情報工科大学校の放射線工学科の学生4人が難関の国家試験の第1種・第2種放射線取扱主任者試験に合格した。合格証の授与式が25日同校で行われ、水野和哉学校長から合格証書が手渡された。
　本年度の同試験の合格率は、第1種・第2種ともに約30％と難易度が極めて高い。同校放射線工学分野担任の吉澤敏雄さんによると、「学生が在学中に受験するケースは少なく、通常は業務に携わりながら知識を得て受験する傾向が強い」としている。こうしたことから現役学生がそろって合格するのはまれという。
　放射線取扱主任者は単なる放射線管理担当者ではなく、放射線障害防止法に基づく監督者として、放射線にかかわる様々な業務を遂行することができる。
　難関を突破したのは、第2種の合格者が、同科2年の稲村啓吾さん（20）、1年の金子奈々さん（19）、梅宮浩平さん（19）。
　第1種の合格者が同科２年の木船友輝さん（26）。木船さんは大学卒業後社会人を経て同校に入学。同科の卒業後は、専門職として既に就職が内定している。
　今回の試験について、「専門性が問われる非常に難しい試験だったが、先生や仲間に支えられ合格することができた」と語り、「今回得た知識や学校での様々な経験を地元福島の役に立ち、還元できる人材になれるようこれからも努力し続けたい」と将来の抱負を述べた。
　東日本大震災以降、文部科学省による「東日本大震災からの復旧・復興を担う人材育成支援事業」が行われているが、同校は全国で唯一、放射線測定技術者の育成支援授業を受託し、育成のためのカリキュラムや教材の開発に協力している。
　同校の放射線工学科は開設から2年目で、現在10人の学生が在籍している。
 
【写真：（左上から右へ）難関の国家資格試験に合格した（左から）梅宮さん、木船さん、金子さん。合格証の授与式】